買っても買っても着る服がない方へ その2
「買っても買っても着る服がない方へ その1」――買っても買っても着る服がない。そうなってしまう原因は、似合うものがわからないから。また若い頃は服選びがうまくいっていても年齢を重ねるうちに買っても買っても…になる方が多いこと、そして似合うものはいくらファッションの勉強をしてもわからないといったことにも触れています。
今回は似合う/似合わないは自分でどのくらいわかるのか、またなぜ次の年には着なくなる服を買ってしまうのかなど「買っても買っても着る服がない」についてもっと掘り下げてお伝えします。
似合う/似合わない
似合わない
似合わないは比較的わかりやすい。
似合わない―これは違和感なのです。違和感は自然と感じるもの。人は違和感には気づきやすいのです。似合わないものを着たときの「違う」「違和感」はみなさん大なり小なり自分で感じると思います。
似合う
そして前回の記事(その1)でお伝えしましたように、似合うものを知ることは難しい。
似合うものとはその人の外見に調和するもの。(略)つまり納得できる服を選ぶためには、自分の外見を知る必要があるということ。
(略)でも自分の外見を自分で知ることは難しい。自分の外見を見ている時間はとても短く…
似合うと似合わないの間(グレーゾーン)
似合わない服は着てみたらわかる。そしてそういう服は買ってこなかった。なのに服の買物で失敗している。次の年には着る気になれない服がたくさんある。……これはどうしてなのでしょう。
似合うものがどういったものかがはっきりとわかっていると、似合わないものもはっきりわかる。でも似合うものが曖昧だと、グレーゾーンができてしまう(大きくなってしまう)のです。

お店などで目に入る全ての服を似合うかどうかでわけたとき、上図のまん中のようになると思ってください(図はあくまでイメージですが、でも売っている服のうち、ほとんどの方にとっては似合うもののほうが少ないです)。
そして上図の上のラインが似合うものがわかっている人の見え方。似合うものと似合わないものがはっきり区別されている。
上図の下のラインが、似合うものがよくわからない人の見え方。グレーゾーンが広い。そしてグレーゾーンには本当は似合わないものも入っている。似合わない服は着てみたらわかるといっても、それはものすごくわかりやすく似合わない服。たとえばフリルが苦手な方はフリルたっぷりのワンピースを着たら、違和感をはっきりと感じるでしょう(左端の真っ黒なところですね)。
でも似合うものがどういったものかがはっきりしていな人にとっては、似合う/似合わないの境目が曖昧(あいまい)。左端の真っ黒なところはさすがに似合わないとわかる。ですが…グレーゾーンも実は違和感はあるんです。でも真っ黒ほどはっきり違和感を感じることができないので、似合っているように見えてしまうことがある。悪くない、買ってもいいと思ってしまう…。
グレーゾーンの服を…
買ってしまう理由
流行
流行が人に与える影響は大きいです。ファッションに疎いです、流行に敏感ではありませんといった方でも、流行から何らかの影響は受けています。流行しているものは、それを着ている人を多く目にする。すると目が慣れるんです。目が慣れると、似合わない服でもなんとなくいけているような気になりやすい。
またセールをしているお店で、魅かれて手にとった服が今年の新作でセールになっていないものだった、といった経験はありませんか?セール品も新作も季節的に今着られそうなものなのに、セール品に魅力を感じない…。それは新作には今の流行が加味されているから。今の流行は見る人に新鮮さを感じさせ、目を惹くのです。魅力を感じ、すてきな服に見える。
いえ、もしかしたら去年その服を買ったときは満足していたのかもしれません。好きな服だったのかもしれません。新しい服は新鮮な気分にさせてくれます。好きな服を買ったという満足、着たら新鮮な気分になれるという満足を感じていた可能性はあります。でもその服が本当には似合う服ではなかったなら、新鮮な気分が薄れた1年後には「着た姿」に対する違和感のほうが勝ってしまう…。
気分
気分も大きいですね。まずお店に行くということは、買う気になっているということ。ストレス解消のために買物をしたいのかもしれないですし、買わなければ明日仕事で着る服が、数日後のイベントで着る服がないといった場合もあるでしょう。どちらにしてもあまり冷静とはいえません。その状態でかつ似合うものを把握できていなければ、グレーソーンの服も冷静な判断ではなく、気分で買ってしまう可能性が高いのです。
セールストーク
百貨店やショッピングモールなど、試着時に声がけをするお店の場合はさらに冷静さを欠いてしまう…。試着をしたら買わなければならないと思ってしまう方もいらっしゃるでしょう。そこにさらに店員さんの声がかかります。
「お似合いです!」(みなさまご存知のとおり、似合っていなくても店員さんはこうおっしゃいます)
「体型カバーできます」「○○(たとえば腕)が細く見えます」(確かに太いところを隠していたりなどカバーはできている。でも似合っているとは限らない)
「(他のアイテムを持ってきてコーディネートを見せながら)着まわしやすいです」(でもそのコーディネートも似合っているとは限らない)
他にも「人気です」「今日入ってきたばかりの新作です」「すごく売れて一時品切れで、再入荷しました」「(2点購入で割引、ポイント○倍など)お買い得です」「最後の1点です」などなど。
店員さんは買ってもいい理由をいろいろいってくれるんです。そして「悪くはないけれど似合うと確信までは持てない」が「買ってもいいかな」に変わってしまうのです。買物の時間はもうあまりとれないとか、買物をしたい、買わなければと思っていればさらに。

似合うものは、ぱっと見てわかるものではないんです。(略)お店に入って黙って立っていたら店員さんが似合う服を持ってきてくれる……というのは無理な話。店員さんへの要求が高すぎます。
通販
通販もまた、冷静に判断しているとはいえない場合が多いのではないでしょうか。特に購入時。通販サイトの画面はとても魅力的にできています。購買意欲をかきたてるための画像やコピーがちりばめられています。通販は、ストレス解消のための買物という側面がさらに大きいかもしれません。
届いた商品を見る時点ではもう少し冷静になっていると思います。実物を見れば品質もわかりますし、試着をすれば、はっきり似合っていないものならそうとわかる。でも返品には手間もお金もかかる。服も欲しかったしまあいいか、きっと着る場面はある、持っていれば便利かもしれないなどと、限りなく黒に近いグレーゾーンでも手元に残してしまう…。
買わない判断をするには
似合うものを言語化
グレーゾーンの服を買わない判断をするためには、似合うものがどういったものかをはっきりわかっている必要があります。はっきりわかるとは似合うものの方向性を言語化できるということ。
似合うものを言語化できれば、グレーゾーンの服を着たときの微妙な違和感に気づけます。似合うものが言語化できるくらいはっきりしていないと、グレーゾーンの服を着たときの微妙な違和感を買いたい気持ち、買ってもいいという気持ちが上回ってしまうのです。
似合うものがはっきりわかるとグレーゾーンが小さくなる。似合う/似合わないの境界がはっきり見えるようになるといってもいいでしょう。

似合うものがはっきりしていないことには、もうひとつ問題点があります。似合うものがはっきりわかっていないと、似合う服が、グレーゾーンの服に埋もれてしまって目に入りにくくなってしまうのです。どういったものが似合うのかがはっきりわかっていないと、似合うものを見つけることも難しくなります。
似合うものがわかるとは自分の意志で似合うものを選べるということ。たまたま手にとった服を着てみたら似合っていた、ではなく。そして似合うものを知ることが難しいというのはこの「言語化」が難しいということ。
ストレス
ストレスも「買っても買っても…」になる要因のひとつ。日常生活のストレスを買物で晴らしたい、そのために似合うかどうかを見極めず、とにかく買ってしまうといったこともあるでしょう。
そしてこのような買物自体もストレスになります。やってもやっても(買っても買っても)成果があがらない(着る服がない)。今後私は似合う服を手に入れることができるのだろうか、そもそもそんな服、どこに行けば見つかるの?着る気になれないこのたくさんの服をどうしよう…。こういった不満や不安、焦りから、ますます買物に行かなくてはという気持ちになってしまう。
もうあきらめた、買物はなるべくしないようにするという方もいらっしゃるでしょう。でも本当にあきらめることは出来ていますか?今日着る服を選ぶとき、その服を着て出かけた自分に、引っかかる気持ちはないでしょうか?
数年先も着られるかどうか
何年も着られるかどうかは、まずは似合うかどうか。でも他にも見るべきポイントがあります。(これについては別記事でお伝えします)
似合うものがわかったら
アフターフォロー
受診前を暗闇で手探り、どちらを向いていいかわからないとたとえるなら、受診後はぱっと明かりがつき、そして似合うものの方向性が見えてくる。でも似合う/似合わないの区別がはっきり見え、似合う服をたくさん選べるようになるまでには、もう少し時間がかかる方のほうが多いでしょう。そのためにアフターフォローがあります。
アフターフォローでは似合うかどうかなど、本当のことをお伝えします。お店の人とはちがうアドバイスということですね。着る人、買う側が本当に知りたいことをお伝えします。
使えるクローゼット
前回の記事(その1)でもお伝えしましたように、私も「買っても買っても…」だったのです。
いつも「着る服がない…だから買いに行かなきゃ」という焦りがありました。(略)今は着ない服は買わないし、買った服は長く着られる。なので買い足す必要をあまり感じない。
買い足す必要を感じないのは、使えるクローゼットができあがっているから。使えるクローゼットをつくれば、買っても買っても…が解消されます。
服選び
洋服には基本の形があります。(略)基本の形は完成された形であり、着る人を美しく見せる効果が高いです。
ただ基本の形、セットインスリーブ(ノーマルな身巾)のコートといってもさまざま。丈、シルエット、ディテール、素材など。パーソナルデザイン・タイプがわかると、これらについてどのようなものを選べばいいのかわかります。
基本の形から外れたものは着る人を選ぶといえますが、これもパーソナルデザイン・タイプがわかると取り入れられるのか否かがわかります。
似合うものがわかる前とわかった後、服選びはどのように変わるのでしょう。たとえばコート。基本の形ならどのようなものが似合うのか、基本の形から外れたものは取り入れられるのかなど、パーソナルデザイン・タイプでわかります。(関連記事「大人の女性をきれいに見せる服選び(コート)」参照)
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